光線治療
当院で採用している光線治療では、近赤外線を使用している。近赤外線は生体深達性が高く、皮下数ミリメートルまで到達するため関節の炎症部位の疼痛にも有効である。また筋組織の筋肉疲労を減少させ、筋肉痛にも有効である。筋筋膜痛やトリガーポイントを抑制し、痙性麻痺の緩和にも有効である。光線照射3分程度で鎮痛効果を示し、15分以内に疼痛が低下する。急性痛、慢性痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛のいずれにも有効である。慢性痛では週2回程度照射を行うことが多い。鎮痛効果は数週から数ヶ月持続し、深部痛(頚部痛、関節痛)にも適切な波長で十分量な光線照射で鎮痛効果を示す。おもな適応疾患は、筋骨格系疾患(頚部痛、上肢痛、腰痛、下肢痛)、耳鼻科疾患(末梢性顔面神経麻痺、耳鳴症、花粉症)、皮膚科疾患(脱毛、皮膚潰瘍、褥瘡、帯状疱疹後神経痛)、眼科疾患(網膜血流改善)、線維筋痛症など多岐にわたる。