帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹は子供の頃に罹患した水ぼうそうのウイルスが長年にわたって神経内に潜伏し、身体の抵抗力が落ちたときに発症する。皮膚に特徴的な帯状の赤いぶつぶつの水疱ができて、強い痛みを伴います。帯状疱疹によく効く抗ウイルス薬を早期から使用すると、症状の悪化を防げますが、それでも患者の約一割の方がなんらかの痛みが残ります。特に持続的な痛みが残った帯状庖疹後神経痛は、大変治りにくく日常生活にも支障を来す厄介な病気です。放置すると慢性的な強い痛みのために、痛みの記憶が形成されてしまい、その後の治療が大変困難になってしまいまうため、早期治療が大切です。特に痛みが残りやすいのは、顔や脇にできた帯状疱疹です。また足にできた帯状疱疹は、時に運動麻痺を起こすことがあり要注意です。眼の周囲の帯状疱疹では視力障害を起こすことがあり、眼科受診が必要になることがあります。子どもにできた帯状疱疹は、通常痛みは残りません。

まず患者さんにあった飲み薬を選び、レーザー照射や神経ブロック治療、痛み止めを皮膚から浸透させるイオントフォレーゼ療法などを組み合わせて総合的に治療します。神経ブロックでは、痛み刺激による脊髄の炎症を改善させることが必要です。飲み薬としては、鎮痛薬、抗てんかん薬、抗うつ薬などがあります。とくに抗てんかん薬のリリカは痛みを伝える神経の興奮を抑える効果があり広く使われておりますが、副作用もあるため専門的な知識が必要となります。慢性的な神経痛があると、家に閉じこもりがちになります。むしろ痛みをある程度受け入れて、新しい生きがいに視点を移すことが痛みの緩和に役立ちます。

帯状疱疹は予防のためのワクチンが使用できます。健康保険は使用できないため、自費扱いになります。当院でもワクチンをおこなうことができます（予約が必要）。

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