三叉神経痛
三叉神経とは、頭部と顔面を支配する脳神経の中で一番太い神経です。顔の感覚を脳に伝える神経で、脳から出て額から目、上あご、下あごに向けて3つに分かれて伸びているため、「三叉」神経と呼ばれています。
三叉神経痛とは、いわゆる顔面神経痛のことで、顔面に突き刺すような、あるいは電気が走るような発作性の激痛があらわれます。しばしば、歯磨き、食事、洗顔、顔に風が当たるなどの刺激で痛み症状を誘発する事があり、顔の特定の部分を圧迫すると同じように症状が引き起こされます。動脈硬化を起こした血管が三叉神経を圧迫することで起こるとされております。痛みは数秒続いた後、一時的におさまりますが、その後何度か繰り返され、通常は数分以内におさまります。40歳以降に多い症状で、年齢とともに増加し、女性は男性の2倍の頻度で発症する傾向があります。
三叉神経痛は内服薬でまず治療をおこないます。特効薬のテグレトールを使用しますが、アレルギーや臓器障害などの副作用に十分注意が必要です。薬物治療で痛みがとれない時は、神経ブロックをおこないます。神経ブロックには以前はアルコールなどの神経破壊薬を使用しましたが、現在は副作用の少ない高周波熱凝固をおこない、三叉神経ブロックをおこなっています。顔面の三叉神経ブロックには経験が必要であり、熟練した神経ブロックの技術が必要です。当院では開業以来多数の三叉神経痛患者に対して、神経ブロックにより満足のいく疼痛治療を提供してきました。