専門治療

線維筋痛症は、体の広範な部位に激しい慢性の痛みがあり、疲労感、頭痛、抑うつ、不眠など多彩な精神症状を伴います。体の特定の圧痛点を押さえると、疼痛が発生します。日本では人口の約2%弱にみられ、中年女性に多いですが、若年者や高齢者でもみられます。原因は不明ですが、神経障害性疼痛のひとつとされ、わずかな刺激で痛みを過剰に感じるとされています。ストレスなどが発病のきっかけとなり、また日常生活の大きな出来事が病気の経過に影響を与えます。治療で重要なことは、病気を正確に診断し、病気を理解して受け入れることです。治療薬としては、抗うつ薬と抗てんかん薬で多くの症例で治療効果が得られます。当院では線維筋痛症の治療薬に関して長年にわたって多くの臨床治験をおこなってきており、薬物治療の長い経験があります。一部の症例では、痛みの強い部位に対して必要に応じてトリガーポイントブロックや神経ブロックをおこない、同時に光線治療や点滴治療も併用しております。痛みを完全に取るのは困難ですが、病気を理解して少しでも痛みを減らし、できるだけ正常な日常生活を取り戻すことが大切です。


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