院長ブログ

ローマで必ず観光客が訪れるバチカン美術館には、疼痛医学で有名なラオコーン群像がある。1506年に皇帝ネロの宮殿から発掘され、ミケランジェロが芸術の奇蹟と感嘆した傑作とされている。バチカン美術館の2階に設置されており、至近距離から見学できるようになっている。私は念願かなってじっくり見学してきたが、他にも多くの有名な美術品があるためか足を止める見物客は意外と少ない。この像はトロイの木馬の逸話に出てくる3名の親子が大蛇に巻き付かれて苦悶様の表情をしており、肉体の苦痛を見事に表現した芸術作品とされている。フィレンツェで開催された第一回国際疼痛学会では、ポスターで学会のシンボルとして採用されている。国際疼痛学会の創始者のボニカ先生の教科書の表紙にも採用されている(旧版)。もしバチカンを訪れたら、忘れずに鑑賞されることをお勧めする。



アスリートの筋肉や腱などの運動器の痛みも治療対象にしている。野球やラグビー、アーチェリー、フットサル、陸上など多方面にわたる運動選手がこれまで受診されている。クリニックの通路の壁に2011年にドラゴンズがセリーグのリーグ優勝した時に記念にいただいた球団の寄せ書きがある。通路に掲示しているため気がつかない方が多いが、選手のサインと一緒に背番号が書かれており、興味のあるかたは解読してみてください。通路の反対側には某有名選手の引退記念のバットも展示しています。プロの運動選手の場合はドーピングの問題があるため、麻黄を含んでいる漢方薬やエフェドリンを含んでいる感冒薬、麻薬性鎮痛薬などの使用は避けており、慎重な投薬が必要になる。また力のかかる部位へのステロイドの頻回な使用も、運動器が脆弱になるため注意が必要である。光線治療や神経ブロックはよい適応となる。特に直線偏光近赤外照射は、筋肉疲労をとり血流改善も生じるため愛用している。



開業してから週一回愛知県がんセンターで神経ブロックの必要な癌性疼痛患者の外来診療を担当しております。毎週外来を横切り診察室に向かいますが、途中に大きな掛け軸が掛けてあります。普段気にもとめずに通り過ぎておりましたが、ある研究会の標語に「学問寛仁」という言葉がでてきました。検索してみると孔子の易経に記載されていることばであり、学ぶことで知識を得て、問うことで理解を深め、広いこころで思いやる、という意味があるようです。一方がんセンターの掛け軸を改めて見直すと、「寛仁厚徳」と書かれております。心が広く徳の厚いりっぱな人格という意味でしょうか。普段何気なくみていた掛け軸に、医師としてまた人としての心構えを改めて教えられた気がします



 当ペインクリニックは、現在はオゾンアベニューと名前を変えた旧大曽根本通り商店街に面しています。地下街からE6出口の階段をあがると、右手に古い道標があります。道標の西側(写真右側)には「いゐたみち」と彫られており、ここから守山を経由し飯田へ通ずる街道がはじまったことを示しており、北側(写真左側)に彫られた「江戸みち ぜんく已うじみち」は善光寺に通ずる街道を指しています。今も昔も大曽根は交通の要衝でした。
 毎週第二土曜日にはクリニック前で朝市が開かれています。有機栽培の野菜や果物、お米、みたらし団子など旬の食べ物が直販されています。すぐ売り切れることが多いですが、通院の際に一度寄ってみてはいかがでしょうか。


日本麻酔科学会のオームぺージに、Daturaという会員コーナーがある。華岡青洲が手術の痛みをとるために使用した朝鮮朝顔である。別名、マンダラゲやトランペットリリーなど多くの俗称がある。以前名古屋大学麻酔科で日本麻酔科学会を主催したときに、会員懇親会に花を飾ろうと考え、Daturaを注文した。愛知県にはこの花を栽培している方がおり、会の当日にちょうど花が咲くように調節して持参してくれた。当日出席された方で気がついた麻酔科医が何名かおり、あとで問い合わせもいただいた。名古屋や大阪あたりでは時おり大きなDaturaが道ばたで栽培されているのをみかけることもある。